思いのほか長く書いてしまったので、結論を先に書きますと、
- RPA導入は経営課題を解決の一助として、中計年度単位での組織活動に紐づくイメージで導入・拡大計画を実践する(ような雰囲気をにおわせる程度でプレゼ、ン、言いすぎると胡散臭くなるので笑)
- RPAはコストカッターではないので、効果の活用は経営側に委ねるようにネゴる
- コスト回収計画は綿密に。最初のうちはKPIと管理値を使って、毎月モニタリングして導入計画を毎月ハンドリングする
- RPA計画は導入部署のラインマネージャと必ず合意する。現場とマネージャは意見が違いうことが多いですがマネージャが正しいです。(我々が板挟みになります笑)
- CoE組織を作って、しっかりと進めていきたいが、そのためには予算と人が必要だ
→CoE組織にすると、その中の人をどう食わせるか?に議論が行くのですが、CoEにしたいと誰が言ってるかによって大きく変わると思います。CIOが言っていれば予算は通り易いと思いますが、(CIOではない)RPAの推進担当者が言っていると難しいかなと思います。ただ、現在もRPAをやっているということなので、何らかの課題があって、その結論がCoEモデルとなっていると思うので、過去の反省からCoEモデルということをベースに進めて行くというストーリーはありなかと思います。RPAを上手に活用するというのはCIOの命題となると思いますので、そこを上手に支援する方向で進めるのが良いかなとなります。
- 上申しようと思うが「それで、どれだけ効果が出るんだ?いつまでにペイするんだ?」と聞かれるのは必至・・・
→RPAはコストカッターでは無いため、業務を最適化することにより経営者(マネジメント側)がやりたいことをできるようになるという方向の方が良いと思います。(業務品質が向上することで、結果的にコスト削減が可能になるが、コストを削るのか、または業務拡大に向けたリソース投入にするは経営判断だよね、というスタンス)したがって、
- 経営課題ってあるじゃないですか?
- それっていつまでにやるんですか?
- では、それまでに既存リソースをどれだけ確保すればよいんですかね?
- RPAはその一助になると思います。
- だから、お金ください。あと、各部門でリソース確保するために業務最適化する計画ありますよね?それください。RPAの適用範囲調べてみます。
みたいなノリ(実際にはこんなに軽く言いませんが…笑)だと、RPA導入の本質的な目的がブレないのではないでしょうか。
参考までにですが、当社ではQC活動の延長線上のイメージで進めていますので、ROIに関しては初年度、みなし効果ベース(論理的な工数削減効果)でrecoupできればOKと言われてます。(上期で数字は終わりましたので、下期はもう効果は見ないで計画的にロボットが作れたかを見ます。我々は現場でロボット作る型です)
我々もPoCで使ったRPAとのライセンス平行稼働期間がありましたが、それも含めて回収しちゃうような投資と効果の計画をラインマネージャや製造管理部門と合意したうえで、かなり細かく作成・実施しています。重要なのは計画(数値目標とRPA導入計画が紐づいていること)とモニタリングですので、年度で無理のない計画(最初は助走で中盤から加速)と毎月の効果モニタリングをしっかり提出(面倒なので弊社では全社公開しちゃってます。笑)すると、多少効果が下振れしていても、それなりに許してくれると思いますし、リカバリ策も取りやすいと思います。
ちなみに、どんなにマネジメント側と合意しても、現場からは嫌がられることがよくありますので、そんなものだとおもってやってます。
喜ばれることも少なくないですが。笑
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Yasuyuki Koike
Specialist
Toshiba IT-Services.corp
Asia/Tokyo
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